ボクシダイ行進曲

ボクシダイ行進曲

赤裸々by。

僕の発明王

  

僕の家系はどうやらモノづくりが得意らしい。

親父は趣味のプラモデルなどのフィギュアを自分なりに改造したりしてる。

祖父はよく使うナタなどの農機具やら物置小屋を自作し、自分が幼い時にはメジロを捕獲する鳥かごを竹ひごやらを使って製作していた。

僕も僕でモノづくりにはそれなりに得意と言える自信があり、小学の時に地区の美術展で金賞を取ったことがある。

幼少期から間近かで祖父のモノづくりを見ていた僕からすれば、祖父は発明王だった。

僕はそんな発明王の血筋の下で生まれ育った。

 

いつかこんな日が来るんだなとは思ってた。

命あるモノいつかは死ぬ、ただそれが遅速の違いだと僕は思ってる。

遅ければ色々あった中で長生きしたな、早ければなぜ死んでしまったのだろう本当に不幸で仕方ない、そんなところ。

ただ、どちらにしろ悲しいことには変わりない。

 

享年83歳、大往生だった。

数十年前に心筋梗塞で心臓が半分壊死してからも元気に過ごしていた。

いつ倒れてもおかしくない危ない状態でもタバコを隠れて吸っており、残り少ない余暇の娯楽を邪魔するわけにもいかないとあえて止めなかった。

倒れる前日は元気に庭の草むしりをしており、あの後姿が生前の最後の姿になるなんて今でも考えられない。

ちゃんと話しておけばと、たらればにかられてしまうこともまだあるけど後悔はない。

別れの覚悟はとっくの昔に済んでいたから。

 

僕の発明王はもういない。

でも、僕には発明王の血が流れている。