ボクシダイ行進曲

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ボクシダイ行進曲

赤裸々by。

成人の日

成人式。
晴れて子供から大人になる登竜門。

日が昇る前の早朝から女子は晴れ着に身を包みいつもより少し濃い化粧とヘアメイクを。男子は背広や袴を着て、前日まで散々悩んだネクタイを締める。そうして出来上がった容姿端麗な姿で家を出る。

家の玄関で数枚写真を撮り会場へ。
会場に着き周りを見渡すと実行委員ばかり、少しフライングをしてしまったようだ。
地元に中学校が一校しかないため皆顔馴染み、次第に集まる同級生の顔がどことなく見覚えがある。雰囲気であいつかな?と予測を立て、まるでクイズをしているかのようだった。
5年も経つと容姿がだいぶ変わっている。あの頃僕よりも小さかったやつが今じゃ僕よりも数十㎝も伸びていて、高層ビル街の一軒家を思わせる。羨ましい。
女子に至ってはまるで別人、5年間の成長の結果か化粧効果かパッと見でわからないやつばかり。化けるということの恐ろしさを知った。
そんな時間の流れを感じた再会だったが、いざ集まると皆昨日まで会っていたかのような口ぶりで揚々と会話を交わし、長い歳月を感じさせなかった。5年越しの再会の前に久しぶりから来る緊張は無用だった。
f:id:ogaryohey:20160113022922j:plain

町長や教育委員会からのありがたいお言葉をいただいた式典を睡魔と共に乗り越えクラスの集合写真へ、他クラスからの侵入があり実際よりも数人ほど多いクラス写真が出来上がったのはここだけの話。
サッカー部の集合写真や仲のいいやつと写真、誰の携帯で撮ったかは覚えていない。ピンボケだからもう一枚、あいつが来たから仕切り直してもう一枚、あちらこちらでカシャカシャとシャッターを切る音が鳴り響いていた。毎度毎度のことながら写真を撮れない自分の携帯を恨んだ、これは死ぬまで引きずるに違いない。
f:id:ogaryohey:20160113025433j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024247j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024342j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024441j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024449j:plain

屋内へ移動し祝賀パーティーへ、人数に対しての部屋の狭さに驚くとともにこんなものかと納得させる。強いて不満を言うなら移動の際、人を掻き分けて前に進むのが大変だったことぐらいだ。
Rock boy清水司会の元、祝賀パーティーがスタート。幾人かと乾杯を交わし、久しい雰囲気を漂わせながら思い出話しに花を咲かせる。
あの時はこうだった、あんなことあったね。楽しかったこと苦労したこと今だから話せるが尽きなかった。次第に今は何をしているなどの自身の進捗な話になり、色々な人と会話が弾んだ。恩師から同じ部活だったやつ、小学校が同じだったやつ、それはそれは楽しい時間だった。
期待してない素振りを見せながら内心めちゃくちゃ期待していたビンゴは敢え無く撃沈、はぐれたバンビーノ部族によるダンソンダンスを見て、最後のスライドショーは卒アルの抜粋というネタバレを早々に食らい少し興醒めした。
その後も色々な人と話したり写真を撮ったりを繰り返した。最後に全体で写真を撮ってお開きとなった。
f:id:ogaryohey:20160113024556j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024619j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024831j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024623j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024634j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024655j:plain
f:id:ogaryohey:20160113024847j:plain
f:id:ogaryohey:20160113025000j:plain
f:id:ogaryohey:20160113025048j:plain
f:id:ogaryohey:20160113025118j:plain
f:id:ogaryohey:20160113025014j:plain
f:id:ogaryohey:20160113025249j:plain
f:id:ogaryohey:20160113025310j:plain
f:id:ogaryohey:20160113115844j:plain
f:id:ogaryohey:20160113025339j:plain

パーティー中あの子を見つけた。会って話したかった子、あの子と会うのが成人式唯一の楽しみだったと言っても過言ではない。
頭の中ではバッチしだった、どのように声をかけて話すか予行は済んでいた。あとは気持ちだけで。
いつ行こういつ行こうと迷いに迷い機会が過ぎていった。気がつくとパーティーは終了しあの子は消えていた。会場を飛び出し辺りを見渡す、どこにも見当たらない。しばらく探索し遠くの方にそれらしい影を見つけるも1歩が踏み出せなかった。遠く消えていく影に哀愁を感じ、ひたすらに自分に嫌悪した。
目の奥に焼き付いたシルエット、成人式での唯一の後悔だ。

自宅に帰り背広を脱ぎ捨る。後2年もするとこれを毎日着こなさなければならないと考え、モラトリアムな大学生活が永遠に続くことを願った。
一息入れ一次会のクラス会へ、足早に集合場所へ行くとすでに半数以上が集合していた。5分もしないうちに集合が完了し居酒屋へ向かった。
前日まで参加人数8人だったクラス会は大進出を果たし20人となり、案内された16人の席は言わずもがキャパオーバーであった。
川端の隣に腰を下ろし、卓に生が5つ並ぶ。同窓会委員の挨拶でクラス会がスタートした。
飲みというとゼミの飲み会が頭にちらつく。減らない酒の呪縛を思い出し身の毛が凍ったが、今回は僕が酔わせる番だった。
酒豪と豪語したパロミノと川端に狙いを定めるともらい事故か、賢治が倒れた。卓を移動し普通に飲んでいたら小川と小澤くんが倒れた。普段慣れないお酒に飲まれたようだ。酒は飲んでも飲まれるなとはこの事である。
そんな中、僕は過去最高にいい酔い状態となって頭がぐわんぐわんしていたが、酒を溢す粗相をやらかし一瞬にして覚めた。僕も酒に飲まれた一人と言える。
最後に皆で写真を撮り終了、そのまま二次会へ。
f:id:ogaryohey:20160113030428j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030436j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030449j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030500j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030524j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030603j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030610j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030617j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030820j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030826j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030833j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030843j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030852j:plain
f:id:ogaryohey:20160113031351j:plain
f:id:ogaryohey:20160113031342j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030857j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030907j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030913j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030354j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030344j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030319j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030247j:plain
f:id:ogaryohey:20160113030239j:plain

二次会ではハプニングが多かった、潰れたやつの介抱に喧嘩にと余りいい思い出がない。
数人に連絡をして鞍替えを図ったが失敗、少し鬱々とした気分で二次会を終える。会計時に上の階から下りてきた弘貴とばったり会い他クラスのカラオケに乗り込んだ、三次会に突入。

部屋に入ると谷口と安田が歌っていた。刹那、おっととたじろぐも受け入れた様子で安心した。飲み会からのカラオケは不得意で2曲程熱唱するとすぐに声が潰れた。しばらくして柴崎が参加し5人で心行くまで楽しんでいた。
5時までのフリータイム、帰りはどうするかとぼちぼち考え出したころ内線が鳴り響く。誰も料理を頼んでいない時点、いや、内線が鳴った時点で良からぬことというのは目に見えていた。

お客様がお待ちしているので、ご退室お願いします。

2時30分、受話器の先から聞こえた容赦もにべもない声から追い出しの宣告を受けた。とある歌なら天体観測に飽き出した時間だろう。
天国から地獄へ、帰宅難民となった。お店への不満より寒さの小言が多い。小寒の夜を侮ることなかれ、一瞬にして体温を奪っていく。
暖を取るべくコンビニへ。いらっしゃいませと迎えてくれた店員の顔は難民を受けいるとは思えなく、渋い顔をしていた。そんなこと気にせずに迎え連絡ローラー作戦を結構する。立ち読み3時間コースや小川飲酒VOXYで送迎などを立案したが補導しかねない、後者に関してはしばらく日の下を歩けなくなる。
ほどなくして大塚家と連絡が取れた、寝る寸前だった大塚母。約20分後、救世主が現れた。お母様様だ。
この上なくありがたい送迎の中、今更ながら地元の交通の不便さに嫌気がさした。最寄り駅まで車で20分、歩いて1時間、酔い醒ましには素晴らしい道のり。まるでいいところがない。
そんなことを思っていると安田家に到着、隣に鎮座している唐澤家の駐車スペースに唐澤の車がないことを発見した車内は騒然とした。

大塚家に多大な報恩謝徳を抱きつつ安田家を後にした。自宅までの道のりおよそ10分ほど、その短い時間にその日に感じた様々なことを思い出していた。

色んなやつとの会話、思い出となった写真、成長した周りの姿、伸長的にそれに負けた僕、懐かしさ、楽しさ、こそばゆさ、成人式のあれやこれやを教えてくれた知人、企画を立ててくれた人、生き生きとしていた恩師、小学校の友達、小学校で別れてしまった友達、中学校の友達、高校まで同じだった友達、成人式にいない友達、忘れもしない思い出、思い出した思い出、知らなかったこと、知っていたが違っていたこと、新しく知ったこと、変わらない絡み、無茶ぶり、無茶ぶりをしたこと、いじったこと、いじられたこと、変わった人、変わってしまった人、代わり映えした人、変わり果ててしまった人、あの時の後悔、もっと真面目に頑張るんだった後悔、もっと友達を作っておくべきだった後悔、もっと時間を大切に使うべきだった後悔、あの時踏み出せなかった後悔、変わらない弱い勇気への嫌悪、あの後ろ姿を見つけた時の思慕、それが遠くへ消えてしまうのに追えなかった後悔、そんな後悔ばかりな僕を今まで支えてくれた家族、友達、親友、恩師、出会った人々、そして無事に今日という日を迎えられたこと。

冷たい空気を肺に入れ空へ吐き出すと白く水蒸気となって消えた。見上げた夜空には吐く息よりも白い星が燦々と瞬いており、今宵も吸い込まれそうな夜空。
すると北の空に星がつーっと光の尾を曳いて堕ちていった。虚空の空に吸い込まれたその星に僕は感動した、理由はない、ただ純粋にそれが突然で美しかったから。

僕はその光景を上書きするかのように目の奥に焼き付けた。

コブクロ/流星