ボクシダイ行進曲

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ボクシダイ行進曲

赤裸々by。

三家歓談会

白雲の秩父嶺はるか
武蔵野に若草萌えて
学会の礎固し
集う我らののぞみは高く
みがき合う英知の光
いざ究めゆかん永遠の真理を

3月中旬の日暮れ、母校の校歌を頭の中で歌唱し1年越しの約束を果たすために越生方面へ。
ことの発端は数ヵ月前の正月に遡る。甥の大学合格ならびに免許取得祝いの報告を受け酒を飲ますと気前がよくなるいとこが「お祝いに俺のおすすめするステーキ屋に連れていってやる!」と豪語したのが発端。自分は去年行くはずだったのだが自然とお流れになってしまったためか、今年改めて召集がかかり1年越しの参戦である。しかし今年の祝い人は甥、付いていく身分の自分は半ば外部者なため運転手に任命された。
出発時ガソリンのカラータイマーが赤でこのまま行くと越生平野で立ち往生確実だった。そのため我が My car(通称ガソリンを貪るもので知られる)VOXY にガソリンを補給する。その際親の財布から5000円を拝借したことはここだけの話だ。補給を終えると息を吹き返しエンジンを盛大に唸らせる、まるで水を得た魚のようだ。それに呼応してか自分の運転もがいつもより快調だった。相乗効果というものか、しかしこの後この優越感が台無しとなる。

途中甥を拾い目的地である毛呂を目指す。ここでしばらく使っていなかったカーナビを使用。このカーナビを最後に更新したのは6年前、つまりカーナビの情報が6年前のものである。
ピンポン♪と音声案内が始まる。予想に反して順調な滑り出しだ。音声案内にしたがいしばらくの直線を走る、その間甥に自分のテクニカルな運転を披露(手放し運転、蛇行運転、逆走など)すると少し青ざめしまった。5分後坂戸の市街地へ、ここでカーナビが反乱を起こす。案内通りに進み大通りから小道に曲がる、するとそこは軽自動車2台がギリギリ通れるほどの道だった。自分は一瞬にして『やられた』と悟る。先に言ったように VOXY のカーナビの情報は6年前のもの、6年もあれば整備され通りやすくなっている道はたくさんある。にもかかわらずポンコツな6年前のカーナビは到着時間を優先し難航な小道にと誘ったのだ。先の優越感はいずこえ、事故を起こしてはならぬ焦りが体を支配する。そのためか自然と前屈みになり眼球が異常な速さで両脇のサイドミラーを捉え対向車とのギリギリの幅をなんとかやりすごす。戦いは終わった、勝った。しかし残ったのは汗と荒ぶる鼓動歳上の威厳など皆無である。勝利とはいったい、またそれを傍らで見ていた甥の目にどのように映ったのかは知る由もない。

毛呂駅に着くといとこのフランクな歓迎を受ける。服装はスウェットで正月に会ったときと全く変わらない格好をしていて驚く半面『飲んだくれのダメやろう』と思った。愛車をいとこの車の隣に停め目的の場所に向かう。
お店に入ると一面シックで落ち着いて高級なバーを思わせる雰囲気であった。奥から店長らしき人物が顔を見せ軽い会釈済し席へ案内される。この時点で場違いだと気づいた。同時に店長ではなくマスターと呼ばれていることにも気づいた。
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飲み物のオーダーを聞かれ自分は烏龍茶、甥はオレンジジュース、いとこは生ビールをそれぞれ頼む。途中『あれ?いとこ車じゃないの?』と思ったが暗黙の了解、自分も洒落てお酒を頼みたかった。しばらくして前菜のサラダとスープのコンポタージュが出される。先に言ったように 場違い と感じているためそれらの食仕方に苦労した。慣れてる感を出して器用に食べたが所詮無駄な努力で30分もかからずに貪った。

そしてメインが登場。
津軽産のリブロース2ポンド、佐賀牛1ポンド。
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そうとうな量だとマスターは言っていた、お店によく来店するいとこも「この量は初めて見る」と興奮していて、親類3人でお肉3ポンドの撮影会を心行くまで楽しんだ。また佐賀牛はこの日のために特別に仕入れたもので俗に言う裏メニューで普段は食べれない。この時ばかりはいとこの酒癖に感謝感激。
マスターは津軽産のリブロースから拵え始める。手際は迷うことなく美しく切り終えると目の前の鉄板で焼きだし胡椒などの調味料で味をつけていく、フランベを期待したが儚く散った。しばらくし目の前に調理されいい感じな色と匂いを漂わせた津軽産リブロースステーキが現れた。その瞬間この世でこれを越えるステーキはないと確信した。醤油や柚子胡椒などの薬味をつけるか逡巡するも振り払い、いざ実食。
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肉が溶けた。初めて体感した。今までは2次元世界での過剰なリアクションだと思っていたが全く同じ現象が口の中で起こったのだ。驚き、そして美味!それしか言う言葉が見つからない。ただただ無言になる。
間髪入れずに豊潤な脂身を含んだメインの中のメインが登場、ブロック状に切り分けられている佐賀牛だ。普段の自分なら刹那に『脂身がくどくて食べにくそう』と思っただろう、しかし美味な感情に包まれている現在それに気づくことはなかった。
津軽のリブロースと比べると脂っぽかったが、普段食べている安い肉とは違うため全然苦にならない脂なためぺろりと完食。薬味の柚子胡椒やガーリックチップに醤油をかける食べ方が全く別の味を生み出し箸の進みを加速させる。
まさに味のレボリューションだった。(彦○呂)

完食を果たす。3ポンドも食べれば腹は十分に満たされる。そんな中「締めの鶏肉いくか!」で凍りついた。入らない、入れるスペースがない。お腹が牛肉でいっぱいなのにそこに鶏肉を投入など無理だ。普段牧場で共存していてもこの時ばかりは共存不可能、喧嘩必至。
そんな悲痛な叫びは言葉にできず10分後いとこおすすめの岩手の地鶏が登場。これまたうまそうで食欲がそそられる。覚悟を決め手をつける、結果を言うと完食できた。あの満腹具合でよく苦しまずに完食できたと自分でも驚く。鶏のヘルシーさや恩幸な環境で育った地鶏など色々な要因が集まったのが決め手だろう。この量と味で1000円とは恐れ入った。
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そしてお会計へ。普通なら40000円するとこを顔見知り常連さん割引きで20000円になった。半額、これじゃ利益がないんじゃないかお店の心配をした。しかしマスターの顔は変わらず逆に自分や甥に対し「おめでと、頑張れよ!」と声をかけ祝福してくれた。『漢』という字が相応しい。対照的にいとこは奢ると言った手前だが会計時「高い……」とボヤいていた。『ダメやろう』の称号を送る。

こうして親類たちの食事会は幕を閉じた。この後いとこはお酒を感じさせない振る舞いで次の飲み場に移動、無論飲酒運転である。残った甥と自分は満腹の感情に包まれ帰宅した。
次は来年の我が妹の番、無事進路が決まることを願っている。その際は運転手という役を引っ提げ参戦してやる予定だ。
待っとけお肉、嘆けいいとこ。

今日の1曲
でんぱ組.inc/バリ3共和国